半歩前進、と言いたいところだが。

さてどうでしょう、という感じのFC東京戦でした。
お客さんはたくさん入りましたね。結果はスコアレスドロー。まあそこはそれ。

お互いに怪我人などを抱えつつ、お世辞にも好調とはいえない状況の中、一応は違う形の模索をする段階なのかな、というところ。
ヴェルディは平繁をワントップ気味に、右サイドMFに井上を配置。縦への動き出しを意識させる布陣。FC側はロベルト・セザーと高松の2トップに羽生をアタッカーとして加えてきたところ。
出だしこそFCペースかと思ったんですけど、徐々に平繁の縦を突く動きに長めのボールを入れていき、SBと中央のボックスのバランスにやや難を見せたFCのバイタルを広げる事に成功。井上の動き出しもよく、スペースで河野が生きるようになると、主導権を握る展開に。
ただしさすがにFCの2CB、今野と森重が人に強くカバーも秀逸で、決定的に崩せる場面はわずか。攻めているかに思えながらも、ゴールを奪うにはやや遠いかという展開。
平繁の負傷交代で平本を投入する状況になったのは、やっぱりちょっと残念だったかな。平本なりに良さを出す時間もあったんだけれどもね。
FCの攻めは、やや梶山にミスが目立つのだけれども、それ以上にロベルト・セザーが単なる木偶外人だろあれ、みたいな感じで。体の強さはまああるかな、とは思ったけれど、ボールに触れず焦れて下がってきては、持ち上がっては潰されるという感じ。単なる前線の蓋で「何しに出てきたんだろ。こいつを引っ張ってくれると楽だなぁ」と。退場したから言うわけじゃないですけど。
で、後半、シミュレーションで2枚目のイエローをもらったそのロベルト・セザーが退場。ただこれは結構、やな感じというか、「これでFCのやる事がハッキリしちゃったかな」と思って、あまり喜べなかったのは確か。
谷澤の投入や、10人になったことでFC側の攻めにSBや森重などの長いランが加わるようになって捕まえにくくなった事と、ヴェルディ側も疲労と攻めの迷いが出てリズムを崩すという、非常によろしくない展開。
最後は土肥の負傷退場もあり、平本GKなどもありつつ、結果そのままグダグダとスコアレスドローにいたった次第、というところ。

まず土肥の状況が非常に心配、というところ。アキレス腱の負傷という話も聞こえてきているけれど、部位もそうだし、年齢の事もあるし、「せっかく復帰したのに」というのも含めて、中々に気持ちが重い。大丈夫だろうか。
平繁は比較的軽かったようだけれど、状況見ながらかな。自分の良さは出してくれたし。井上もまずまず。「こういう事が出来る」のはハッキリしてるので。交代選手で違いを出せなかったという意味では、谷澤やペドロ・ジュニオールが効いたFCとそうでなかったうちとの差はあった感じ。時間帯によってもう少し状況のコントロールができるようになって欲しいところだけれど。菊岡にかなり疲れが見えていたのに、最後まで引っ張らなきゃいけなかったのはどうなのかなぁ、というのもあって。まあ、故障者が出たので仕方がないとは言えるか。
佐伯が戻ってリスクを抑える働きに徹してくれた事で、小林にも積極性が見えてきたのは良かった点。ミスはまだあるし、もっと出して欲しい部分もあるけれど、意識して高い位置で仕掛けてきたのは良しとするかなと。FKも良かった。もうちょっと本数があればね。FCの攻勢をある程度見込んでか両サイドバックが攻めに関しては自重気味な中で、やはり中盤が踏み込んでプレーしていく意識がないと、そうそう攻めが厚くはならないよね、というところ。「走っていこう」という意識は見えていて、若いけれども、自分の課題とか問題に向き合う感じとか、今のところはそういう面が徐々に良い方向に出てるかな、と思えるので続けて頂きたく。徐々に、という面では深津が少しずつフィットしてきてるかなと。もちろん、まだ問題は多いのだけれど、まず冷静にプレーをこなせるようになってきてる。身体能力は相変わらず高いな、と思うので、まあ土屋もコンディション的にはまだまだだろうけれど、上手くあわせてあげて欲しいところ。
攻めの厚さを単なるショートの連続に頼るのではなく、長い斜めのパスなどを起点に一度押し上げてセカンドボールを拾ってからパスで再度ブレイクしていくような形が何度か見られていて、それはもちろん狙いとしてはある程度奏効してたようには思うのだけれど、フィニッシュという面で物足りなさは依然残る。河野が桜井直人に比べて現時点でハッキリと劣ってるといえる点は、PA外からでも強いシュートを撃っていけるかどうかの差だよな、とは思う。その辺を本人がどう意識してるかは分からないけれど、それがあると違うのになー、と。あとは運動量のコントロールというか、急いで急いで守って守って、で、ダウンするのが早い感じ。運動量が必要なスタイルをあえて採っているわけだから、その辺はもうちょっとどうにかして欲しいですね、とは思うかな。

もちろん勝ち点1はとりあえずの前進。失点0だった事も含めて、一度落ち着く材料にはなったかなと思う。まだ整理し切れてない、ズレているなという部分も散見されるけれど、割と気合のノリがサッカーの内容に出るよなところがあるチームなので、勢いとまではいかなくても、「もう一回、このやり方でやってみよう」というのが出てくれば良いかな、という感じ。

連戦なので怪我が怖いですけれど、とにかく、焦らずにやってきましょうか。
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2018年11月

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