女子サッカーW杯

なでしこジャパンが世界一。

うん、何かすごいな。
「W杯優勝」だよ。

うん、何かすごい。
言葉がうまく出てこない。

決勝を見る前に「アメリカと日本とどちらが強いか」と問われたら、「アメリカの方が強い」と答えていたと思う。決勝を見終わった後でさえ、やっぱり同じように答えるんじゃないのかなと思う。
力の差、というより、今大会を通じて常にそうだったように、フィジカルの圧倒的な差というのは、ほとんど技術的な領域を云々する以前の代物として、なでしこの前に立ちはだかっていたように思う。それを覆すことに成功した理由を、ひとつやふたつのワードに収めるのは、心許ないというか、「もったいない」感じがして仕方がない。

アメリカの見事さは、もちろんスピードやシュートの質、高さといったファクターはあるけれども、何よりそれをちゃんと高い次元で「使いこなしている」という点にあって、1点目のカウンターしかり、2点目のワンバックの「高さ」しかり、そういう武器を使って勝ち残ってきた事への自信、確信があった。
ただそれを2度跳ね返し同点に持ち込んだという状況は、アメリカの根底にあったはずのそういう心理的な優位性さえ打ち砕くに足るものだったんだろうと。
ジャパンがわずかなチャンスに「搾り出す」ようにして得点につなげる力、その前提にある技術と粘り、幾度跳ね返されてもその技術・戦術に確信を持って臨む揺るぎない精神に感じるのは、この代表チームが決して数年という「短い」スパンで作られたわけではなく、長い期間をかけて練られた一貫性のあるスタイルの志向と、選手の底上げを図りながらぶれずに強化をしてきた、という歴史なのかなと。

万能の人にして優れたリーダー(日本人がW杯得点王でMVPとか高橋陽一でさえマンガ化するのに躊躇するレベル)、澤穂希という「傑物」を育んだというその一点においてだけでも、よみうりランドのフィールドが日本サッカーの歴史において価値ある場所だと言える。そのぐらいは言わせて欲しい、とも思う。

女子サッカーのこれまでについて、そしてこれからについて、色々と思うところ、言いたいところはある。
でも今は、彼女達が成し遂げた偉大な勝利のおこぼれにそっとあずかって、ただじんわりと喜んでおこう。
本当に素晴らしかった。おめでとう。
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2018年11月

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