2011年5月アーカイブ

さてもなかなかにむずかしく。

台風が近付く中、国立競技場でのv.s.鳥取。リザルトはスコアレスドロー。
いや久々にずぶ濡れたので。お客さんの入りも酷い有様でしたが、これも仕方ないかと。

ゲームの内容として、特に攻撃面で停滞感のあるゲームになってしまい、ちょっと難しくなってきたなと。
川勝監督がベンチ入り出来なかった影響がどれほどあったかについては言及しにくいけれども、ま、それだけではないよな。
内容の部分を少し整理してみる時期に来たかなぁ、と。

先に鳥取の方について。
松田さんのチームだけあって、サイドへの「掛かり方」に統一感があるな、という感じ。鳥取の選手たちが特にショートカウンターの局面などで厚みを出して攻めてきていたし、前線からの守りも繰り返しを厭わないしつこさがあって、よく鍛えられてるな、という印象。一方でリズムの変化は少ないかなというところがあり、こちらが我慢に入ると割りと単調な面も見せていて、そこは色々と難しいところなんだろうなと。
ただ間違いなく言える事として、ヴェルディよりも「フィニッシュ」についての意識付けがはっきりとしていて、特に下が滑るコンディションの中では、確率が低くても打ってくるという部分がはっきり出ていた。

ヴェルディについては、中央ブロックの守備はOK。鳥取の中央からの攻めがそこまで強力ではなかったこと、シュートの精度も十分ではなかったこともあり、決定機を柴崎がストップする局面もあったけれども、一方的に押されるような展開にはならなかった。サイドも攻めの圧力はあったけれど、連続して後手を踏んだり、滑りやすいコンディションの中で守備面で大きなミスが(なかったとは言わないが)少なかったのは、まずまずといったところ。

攻撃面については、やはり厳しいな、という感じ。
まず非常に単純なミスが起こったこと。それも繰り返し、というのはいただけない。滑りやすくはあったが、問題はそれ以前のところで、具体的に言えば高橋などは敵陣左サイドに入ったところでの短いパス交換で、何度もパスをずらしては攫われていた。深津もサイドバックやボランチにつけるようなパスを何度もずらしており、攻撃のリズムを最初から崩すという場面が見られた。右サイドハーフに入った小林も受けて出すといった流れの中でリズムが悪く緩慢に見えるプレーが多すぎた。
ではなぜこうした状況が起きてるか、という整理は必要だろうと。
パスゲームの機能性が十分でない。もちろん運動量の不足や切り替えの遅さ、という点もあるが、何より攻めにかかったときの距離感が悪いなぁ、という感じが否めない。攻撃側と守備側のバランスをとって、最初のパスを受け、キーになるパスを出し、セカンドボールを拾って二次攻撃につなげていく、というようなリンク部分の機能不全はやはりある。それを菊岡がやるのか小林がやるのか、どちらでも良いとは思うのだが、どうにもそのリンク部分に河野が下がって関わってきたがるわけで、それを是とするなら、FWが裏を狙っても余計に距離感が悪くなるだけだなぁ、と思っている。否とするなら河野の役割をもっとサイドなりに固定していくのも考え方だろうし、河野が前を向いてボックスに近いエリアで仕掛けを作るにはどうするか、と考えると、サイドハーフとボランチが積極的にポジションを入れ替えるぐらいの流動的な出入りは必要なのではないか。もちろん、リスクはあるわけだけれど、どうも攻めの部分でリスクをかけまいとして消極的なプレーをした結果、ミスにつながっているような印象はある。
もう一点として、特にバックラインから質の高いボールが出てこないことも問題。福田や土屋はともかく、深津や高橋はほとんど狙いのある縦へのフィードを見せていない。例えば富澤などは縦あるいは斜めのロングフィードをミスする事はあったが、それはある程度タイトな狙いでチャレンジをした結果のミスであって、深津などはほとんどチャレンジすらしていない。せいぜい真ん中にロブを蹴るぐらい。高橋も同様。ここからもっと質の高いフィードが出せるなら、バックラインがルックアップするタイミングで平繁でも飯尾でもあるいは井上でも動き出すパターンは取れる。もちろんそれでゴールを狙うというより、そこで一度ポイントを作って中盤が押し上げるなりの動きが出てくるわけで、それだけでも相手のディフェンスラインを揺さぶっていくことは出来る。

川勝監督が「ポゼッション」を標榜するに当たり、「技術はそれを必要とする局面に集中して使う」というのがひとつのイメージとしてあるようだ、とは分かる。言い換えると、シンプルな部分とトリッキーな部分の「使い分け」こそが重要であって、その「使い分け」が機能せずに単調なリズムに陥りがちだなと。短いパス交換と、縦へのシンプルな狙いというのは、ポゼッションを成立させていくための相互補完であるはずなのに、そこを上手く頭を使って使い分けが出来ていないなぁ、という感じはどうにも漂う。
特に鳥取戦ではシュートが極端に少なかった。それなりに決定的な形もあるにはあったが、「確率の低いシュートをあえて打つ」という場面はこの試合に限らず本当にわずかで、ここはなかなか意識を変えていかないと難しい。
そこも含めてやはりリスクを遠ざけたがるような雰囲気があるなと。
積極性をどう作っていくか、という問いになると、単純には運動量を上げて、テンポそのものを速めていくというのがひとつの解。途中、阿部拓馬の投入で動き出しのポイントが増え、ある程度のリズムが生まれたのもその辺かな、とは思っている。
去年からどうしても後半に燃料切れでガタっといってしまうところがあり、心理的に影響しているのかも知れないが、であればこそ中盤の距離感を整えていくのは重要で、そうなるとやっぱりミスを減らさないとダメだよなぁ、と最初に戻る。
で、川勝監督自身が怪我をして自由に動けないのも、実は微妙に影響しているのではないか、という気がしているのだが、この辺りはとりあえず保留。アポジ投入で無理押し感を作ったが、これもまあ、保留かな。不器用そうだなぁ、という印象は否めないのだが。

まあそれなりにバランスよく守れていることも事実なので、あとはボール奪った後の攻めの初動について、もうちょっと意識付けというか、約束事をハッキリさせておいた方が良いんじゃないかなと。
そういったところに注目しつつ、次の状況を見ていきたいなと思っております。

難しい勝利

ヴェルディは4-0でギラヴァンツ北九州に大勝、という字面にしたいところですが、まあ、そういう話でもなかったよね、などと思ってみたり。
純粋に勝って嬉しい、という面と同時に、「ああ、やっぱサッカーって怖いな」と思ったり。
色々と難しい試合ではありました。

前半からギラヴァンツのボールの動かし方が良かったのと、それに対してヴェルディがややプレスで突っ込み過ぎる感じがしてて、距離感が合わずにセカンドボールが拾いづらい展開。攻めるにしても、このところ「縦を突こう」という意識付けが強すぎたせいか、どうもそちらに急ぎすぎる傾向が出て、ボールの失い方がもったいないな、と思いながら見ていました。相手のプレスに焦れてか、ちょっと単調な攻めに。先発した善朗と小林が、まあ若者らしく非常にファイトするわけですけれど、そこでちょっとバランスが崩れ気味にも感じて、良し悪しかなぁ、などと。まあ、ルーズにやるよりはずっと良いんですけど、その意識の強さが小林の退場を招いたんだとすれば、もったいないな、という感じ。
ただギラヴァンツは攻めの組み立てにリズムの良さはあるものの、フィニッシュには強みを感じないというところもあって、「セットプレーとミドルだけケアしていけば、ある程度は抑えられるかな」とは思っていました。ゴール近くでも土屋と深津、佐伯がよく状況をコントロールしていて、まあ、大きいミスが出なければ我慢できそう、という感じ。
後半早々に数的不利となった事で、もちろんクリアになった部分というのもあったんですけど、それでも平繁の鋭さと菊岡の技術がなければ、勝ち点1を持って帰るのも容易ではなかったろうな、とは思います。
いやー、ベンチに菊岡がいて良かったなぁ、と。
菊岡がスペースを察知してタイミングよく進出し、ボールを受けて出して、というリズムでやや間延びしてきたギラヴァンツのスペースを押し広げ、そこから井上のゴールが生まれたというのもそうだし、そこでやや焦った敵DFの裏をうまく突いたアシストもあったし、という。
加えてやはり平繁の、縦へのアクションを主体とした動きでしっかりと自分の持ち味を出した事と、ゴール前での落ち着きがハットトリックにつながったなと。本当にたいしたもんだな、と思いました。
10人で4点取るというのは、なかなかある話ではないと思うので、ひとつ勢いにしたいところですね。

もうひとつ、今日感じていたところとして、「10年」という時間は、やっぱり短いように思ってたけど、やっぱり長いんだよな、と。特に柴崎と森の2人に。
森は攻めの部分ではそれほど大きな見せ場はなかったですけど、やや不安定な主審のジャッジにもあまり苛立たず、守備面ではギラヴァンツのアタッカー陣を1対1の局面ではほぼ封じてみせて、風格すら感じたり。とにかく相手に速さがあっても動じない。重心をしっかり落とし、コンタクトでも体幹がぶれない。「ブラジル人に突っかけられるだけでオタオタしてたあのユースケがねぇ」と。もう30か。
柴崎も、終盤にプレースキックがブレたりしたのは残念でしたけど、しっかりした内容のプレー。特に前半、CKからのハイボールをパンチングで逃げずにカブリ気味になりながらもしっかりキャッチしたのはしびれましたね。ああ、10年かけてここまで来たかと。ようやく、体の大きさに見合ったプレーが身についたんだなぁ、と。練習は嘘をつかないな、と。
例えば自分がプロのスポーツ選手だったとする。毎日毎日、トレーニングをする。レギュラー選手と同等に、あるいはそれ以上にする。でもレギュラーとしての出場機会は巡ってこない。10年の間、移籍を繰り返すものの控え選手のままで、出場試合数は数えるほど。その中に勝利すらない。果たしてその状況で続けられるのか、と自分に問うてみて、やっぱ柴崎はすげえな、とそのように思うわけです。

杉本は面白い存在ですが、まだまだこれから。若い選手が自分を出そうと頑張り、ベテランも自分の仕事をこなすだけでなく、若い選手を引っ張っていってる、その状況が伝わってきてるので、ここからチームとして良い回転をしてってもらいたいなと思いました。

半歩前進、と言いたいところだが。

さてどうでしょう、という感じのFC東京戦でした。
お客さんはたくさん入りましたね。結果はスコアレスドロー。まあそこはそれ。

お互いに怪我人などを抱えつつ、お世辞にも好調とはいえない状況の中、一応は違う形の模索をする段階なのかな、というところ。
ヴェルディは平繁をワントップ気味に、右サイドMFに井上を配置。縦への動き出しを意識させる布陣。FC側はロベルト・セザーと高松の2トップに羽生をアタッカーとして加えてきたところ。
出だしこそFCペースかと思ったんですけど、徐々に平繁の縦を突く動きに長めのボールを入れていき、SBと中央のボックスのバランスにやや難を見せたFCのバイタルを広げる事に成功。井上の動き出しもよく、スペースで河野が生きるようになると、主導権を握る展開に。
ただしさすがにFCの2CB、今野と森重が人に強くカバーも秀逸で、決定的に崩せる場面はわずか。攻めているかに思えながらも、ゴールを奪うにはやや遠いかという展開。
平繁の負傷交代で平本を投入する状況になったのは、やっぱりちょっと残念だったかな。平本なりに良さを出す時間もあったんだけれどもね。
FCの攻めは、やや梶山にミスが目立つのだけれども、それ以上にロベルト・セザーが単なる木偶外人だろあれ、みたいな感じで。体の強さはまああるかな、とは思ったけれど、ボールに触れず焦れて下がってきては、持ち上がっては潰されるという感じ。単なる前線の蓋で「何しに出てきたんだろ。こいつを引っ張ってくれると楽だなぁ」と。退場したから言うわけじゃないですけど。
で、後半、シミュレーションで2枚目のイエローをもらったそのロベルト・セザーが退場。ただこれは結構、やな感じというか、「これでFCのやる事がハッキリしちゃったかな」と思って、あまり喜べなかったのは確か。
谷澤の投入や、10人になったことでFC側の攻めにSBや森重などの長いランが加わるようになって捕まえにくくなった事と、ヴェルディ側も疲労と攻めの迷いが出てリズムを崩すという、非常によろしくない展開。
最後は土肥の負傷退場もあり、平本GKなどもありつつ、結果そのままグダグダとスコアレスドローにいたった次第、というところ。

まず土肥の状況が非常に心配、というところ。アキレス腱の負傷という話も聞こえてきているけれど、部位もそうだし、年齢の事もあるし、「せっかく復帰したのに」というのも含めて、中々に気持ちが重い。大丈夫だろうか。
平繁は比較的軽かったようだけれど、状況見ながらかな。自分の良さは出してくれたし。井上もまずまず。「こういう事が出来る」のはハッキリしてるので。交代選手で違いを出せなかったという意味では、谷澤やペドロ・ジュニオールが効いたFCとそうでなかったうちとの差はあった感じ。時間帯によってもう少し状況のコントロールができるようになって欲しいところだけれど。菊岡にかなり疲れが見えていたのに、最後まで引っ張らなきゃいけなかったのはどうなのかなぁ、というのもあって。まあ、故障者が出たので仕方がないとは言えるか。
佐伯が戻ってリスクを抑える働きに徹してくれた事で、小林にも積極性が見えてきたのは良かった点。ミスはまだあるし、もっと出して欲しい部分もあるけれど、意識して高い位置で仕掛けてきたのは良しとするかなと。FKも良かった。もうちょっと本数があればね。FCの攻勢をある程度見込んでか両サイドバックが攻めに関しては自重気味な中で、やはり中盤が踏み込んでプレーしていく意識がないと、そうそう攻めが厚くはならないよね、というところ。「走っていこう」という意識は見えていて、若いけれども、自分の課題とか問題に向き合う感じとか、今のところはそういう面が徐々に良い方向に出てるかな、と思えるので続けて頂きたく。徐々に、という面では深津が少しずつフィットしてきてるかなと。もちろん、まだ問題は多いのだけれど、まず冷静にプレーをこなせるようになってきてる。身体能力は相変わらず高いな、と思うので、まあ土屋もコンディション的にはまだまだだろうけれど、上手くあわせてあげて欲しいところ。
攻めの厚さを単なるショートの連続に頼るのではなく、長い斜めのパスなどを起点に一度押し上げてセカンドボールを拾ってからパスで再度ブレイクしていくような形が何度か見られていて、それはもちろん狙いとしてはある程度奏効してたようには思うのだけれど、フィニッシュという面で物足りなさは依然残る。河野が桜井直人に比べて現時点でハッキリと劣ってるといえる点は、PA外からでも強いシュートを撃っていけるかどうかの差だよな、とは思う。その辺を本人がどう意識してるかは分からないけれど、それがあると違うのになー、と。あとは運動量のコントロールというか、急いで急いで守って守って、で、ダウンするのが早い感じ。運動量が必要なスタイルをあえて採っているわけだから、その辺はもうちょっとどうにかして欲しいですね、とは思うかな。

もちろん勝ち点1はとりあえずの前進。失点0だった事も含めて、一度落ち着く材料にはなったかなと思う。まだ整理し切れてない、ズレているなという部分も散見されるけれど、割と気合のノリがサッカーの内容に出るよなところがあるチームなので、勢いとまではいかなくても、「もう一回、このやり方でやってみよう」というのが出てくれば良いかな、という感じ。

連戦なので怪我が怖いですけれど、とにかく、焦らずにやってきましょうか。

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